こんにちは、無知の知晴れのアヲノ旗(@awonohata)です。
この記事では、辻山良雄著『本屋、はじめました 増補版』をご紹介します。
小さな店でも新刊本を「横軸」、古本を「縦軸」にとって、ある一定のトーンを保ちながら品揃えした場合、本の世界の奥深さをある程度楽しんでいただくことは可能です。もちろんそこに並ぶ本が粒ぞろいであってこそですが。違いはあれど、新刊書店と古本屋は〈本〉で会話できるhttps://t.co/25qNPZ5SVk
— Title(タイトル) (@Title_books) January 15, 2020
今回ご紹介しているのは、文庫版です。
単行本版に掲載されている「特別付録・東西本屋店主対談」および索引は、収録されていません。
そちらを読まれたい方は、単行本版をご参照ください。
文庫版は、「その後のTitle」という25ページ前後の書き下ろしがあります。
【『本屋、はじめました 増補版』を三行で表すと?】
- 「リブロ」で手腕を振るっていた著者が、新刊書店Titleを立ち上げるまでの回顧録。
- 「立地探し」から「内装」、「本の仕入れ方」まで、各ステップが丁寧に描かれています。
- 増補版では、開店後の書店のリアルも補足されています。
【『本屋、はじめました 増補版』を読むとどんな気持ちになる?】
- 書店だけでなく、新しいことを立ち上げたいときにも参考になる
- 書店って、こんなこともするんだ!と勉強になる
【『本屋、はじめました 増補版』まとめ】
本書を読んで、印象に残ったことが、二つあります。
一つ目は、「開店する立地の重要性」です。
実はこの本を読むまで、「本屋はとりあえず駅前にあれば人が集まるんじゃないの?」とどこかで思っていたフシがありました。しかし、その考えは間違っていることに気づかされました。
著者は何度も候補の物件に足を運んで、周囲の人通りや店舗、雰囲気などを確認してから立地を決めています。こうした丹念な下調べをする姿勢こそ、評判の店を形作る核なのかなと思いました。「駅から離れた場所であっても、人に来ていただけるモデルをいかにつくれるか」という考え方は、素敵だなと思いました。これは、書店に限らず、他の種類の店舗を作る際にも重要だと思います。
二つ目は、「人を頼ることの重要性」です。
新しい物事を始める時、人に手伝ってもらうことというのは大切です。どんなに小さな書店も、多くの人たちの手が加わって、ようやく形作られます。
著者は、具体的な事業計画書を作り、その都度にアレンジや修正を行うことで、周囲の人たちの協力を得ていきます。決して独りよがりなものではなく、周囲の人たちの意見に耳を傾けていきます。本当に重視する核は残し、変更すべき点はアレンジしていく。その繰り返しこそが、良い店舗を作り上げていくコツなのかなと思いました。
完全なノウハウ本というよりも、暖かみのあるエッセイのような印象でした。
書店に限らず、新しく店舗を立ち上げようと思っている人は参考になると思います。
特に、巻末の「事業計画書」は必見です。
また、書店の裏話や、オススメブックリストも掲載されているので、単純に書店や本が好きな人も面白く読める本です。
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