(自分の)特徴を弱みにせず、逆に活かすにはどうすればいいか(考える)
本書の中の「ロールモデルについて」の項目で、こういった文章がある。これは、理想と現実のギャップに直面したときに、著者はどう思考を変えたのか、という一文だ。
多くの自己啓発本で、ロールモデルを設定すること自体はよく触れられているが、設定するときに気をつけるべきことや、設定したあとのその先について言及している部分に心惹かれた。さすが、高い水準で結果を残してきた人だなと思わされた。
400mハードル日本記録保持者の元陸上選手である著者が、自身の経験を振り返り、考察している。コーチをつけずに記録を残してきた著者の成功の秘訣とは何だろうか。
ただ輝かしい経歴や思い出を振り返るというものではなく、考え方や試行錯誤を堅実にまとめた本だと思う。
著者のファンやスポーツをしている人だけでなく、スポーツの指導者やスポーツをしている親子に読んでもらいたい本。スポーツに関連しなくても、人との適切な距離の取り方やアドバイスなど、参考になる部分が多々あると感じた。
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今回は、為末 大著『Winning Alone(ウィニング・アローン) 自己理解のパフォーマンス論』(プレジデント社)について書きました。