
【「投資を成功させるためには歴史に学べ」】
現在と類似した問題が以前どのようにして起きたのかを理解すれば、現状がある程度把握できる。それがどのような結末になるかもわかる。よく「歴史は繰り返す」と言うが、まったく同じことを繰り返すのではない。韻を踏むように、少しずつ形を変えながら反復をし続けるのだ。
(はじめに より)
ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並んで「世界3大投資家」と呼ばれる作者が書く、世界情勢の見方本。
タイトルから、私が苦手な経済の話だ…と少し敬遠していました。しかし、本文を読み始めたところで、その先入観はあっさりと解けました。
現在の世界情勢についても説明はありますが、根底に流れているのは、世界的投資家の思考法です。
読み進められるかが不安な方は、「はじめに」だけでも読んでみることをオススメします。
本書が初心者にもとっつきやすく、エッセンスに絞って書かれていることが分かるはずです。
私がもし10歳の日本人なら、ただちに日本を去るだろう。
上の一文のようなセンセーショナルな文面もいくつかあり、半信半疑でしたが、今までの歴史の例を3つ4つ出すことで説得力があるなと思わされました。
とはいえ、著者は他者の意見を鵜呑みにしてはいけない、というスタンスです。
ある意見には疑いをもって自分で調べ、考えることが重要だと説いています。
単なる情勢予言本ではなく、歴史を学ぶ重要性も繰り返し伝えているところが好感を持てました。
これを読んで、いてもたってもいられず歴史の勉強を始めたくなること間違いなしです。
経済の流れが理解できるようになりたいけど、やる気がわかないし、なにから始めたらいいのか分からない、
何かとっかかりになる本はないだろうか、と探している方。
そんな方にオススメの本です。
今回は、ジム・ロジャーズ著/大野和基訳『お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』(PHP研究所)について書きました。